10月30日 城西地区連盟主催 鼻曲山バスハイク


眩しすぎた紅葉

城西地区連盟はその名のとおり、東京の西部、世田谷、狛江、町田を結ぶ 小田急線
沿線に拡がる百五十万都市を包括した東京都勤労者山岳連盟の団体 である。月に一度、下北沢と狛江で会合を開き、都連盟と緊密な連携を保ち ながら活動をしている。
地区連携発足後、秋のバスハイクは恒例行事となり、今回は三回目をむかえ 第一回目の荒船山、二回目の鳴神山についで、信州と上州の県境、浅間山を 仰ぎ見る鼻曲山に決定した。
既に、城西地区連の各会との交流ハイクを実施したりして活動が浸透してき ているため、今回も場所の候補地を絞ることを除けば比較的スムーズに運営 準備をはこぶことができた。

まず、城西という枠にとらわれず広く勧誘し、ハイカーのインターネットを ひろげていく
という主旨である。今回もこの考えに賛同を頂けた方々に恵まれ 参加登録者44名のほぼ四分の一は一般参加となった。しかし、当日の体調 不良等で8名の欠席者を出したことは残念な結果であった。

新宿駅西口へ午前7時に集合し、小型バス2台で関越道を一路北上した。 天気は快晴とは言えないまでも、薄日のさしこむまずまずの日和となり関係者 をほっとさせた。
車が軽井沢をすぎ、浅間有料道路にさしかかるころには、中腹の山々がみごと な黄色に色ずき車窓から今年一番の紅葉を満喫することができた。 途中、小瀬温泉郷の長日向から乙女ルートをとり鼻曲山頂へ2時間の行軍となる。 恒例の豚汁鍋は好評にこたえ今年も計画し、先発隊が一足さきに準備にとりかか った。なべ、具、2リットル入りペットボトル10本が用意された。 このほかに城西地区連盟印刷の手ぬぐいが各自にくばられ、ポストイットのお土産 と温泉つきで五千円の参加費用は参加者の気に入るところであった。 正午には全員無事小天狗と呼ばれる頂上直下のやや広い平らな場所に到着し鍋料理 を楽しむことができた。

記念写真を撮影し、帰りはそのまま北へ直進して氷妻山を経由して小型バスの待つ 二度上峠へおりた。ここからは痩せ尾根の上り下りの連続で、途中崩落箇所もある 危険地帯の続きであるが、獅子岩や岩場上部から突然展開する黄色い世界は人々を 魅了した。
紅葉の浅間山はおおらかな黄金色にやさしくつつまれていた。

小型マイクロバスの利点を活かし秘境一軒屋の温泉場で約一時間、湯につかり体を 休めて帰路東京へ向かったのは五時をまわったころであった。

今回は城西のみならず他の会からの出席をいただき交流が実現したことは意義の あるものであった。これからも城西が多くの人々の交流の場になればよいと思う。 すっかり暗くなった車内でうとうとと夢心地でいると、あの黄昏の一面色ずいた 景色がよみがえってきた。あのまぶしさはいったい何だったのだろうか。

山は登るもの。峠は越えるもの。きっとそれは、その時代を懸命に生きてきた人々 の心のなかで、色あせることなく輝き続けてきた人生の賛歌であったにちがいない。

おしまい。

文責 林 祥介

山行一覧へ

Top Pageへ

inserted by FC2 system