2月16日(土)-17日(日) 赤岳山行記録

1. 日程: 2月16日(土)-17日(日)
2. 山域: 八ヶ岳
3. 参加メンバー : 木村,I村
4. スタイル: テント泊ピストン
5. 行程:
  16日 5:30 I村宅(厚木)---6:30 中央道相模湖I.C.---A.M.8:30 美濃戸口駐車場にて登山届提出、
      出発準備---9:00 美濃戸口---12:30 赤岳鉱泉でアイスキャンディ見学を経て行者小屋テン
      ト場、設営。
  17日 5:50起床---7:40 行者小屋テント場(地蔵尾根取り付き)---9:55 赤岳山頂---11:10 行者
      小屋テント場。昼飯、撤収開始---12:30 行者小屋テント場---14:00美濃戸口

6.記録
●16日
眠い目をこすり、早朝5時前に我が家から246を飛ばし厚木の相方のアパートへ向かう。相方の愛車はスタッドレスに履き替えており今日のために準備万端。 荷物を彼の愛車に乗せ換え馴染みの美濃戸口へと向かう。渋滞もなく快調に駐車場に着き準備運動。登山届けを出して揚々と歩き出したのであった。天気は上 々、雲一つない。夏に歩いた美濃戸までの道は深い雪に覆われ、夏道よりもはるかに歩きやすい。週末の入山者も多いのだろう、雪は踏み固められていて快適そ のもの。到着が早かったことだし、南沢から行者へ直行するのも勿体無いということで、赤岳鉱泉経由で歩こうと美濃戸山荘から鉱泉への登りルートを取ること にする


ころで、美濃戸への途中、深い雪道にスタックしたワゴン車の救出を手伝った。関西弁を話す中年の夫婦が乗った神戸ナンバーの大きなワゴンは二駆だろうか。 チェーンはつけているものの、深い雪に車の前後がはまり込みタイヤはピクリとも動かない。I村と二人で車の側面やらリアを押したり、タイヤの下の雪を掻き 出したりと必死に手伝ったが無理。そもそもこんなところまで来られる車とは思えない。ただでさえ重いワゴン車。しかも四駆でもない。さらに車高は低くその 上エアロパーツまで着いている。我々二人は救出を諦め夫婦を残して先を急いだ。振り返ると立ち往生のワゴン車の後ろには後続の四駆車が迫ってきていた。そ の後、あの雪深い林道では渋滞が出来ていたことは必至である。それとも親切な四駆ドライバーがチェーンでワゴンを引っ張り出しただろうか。それにしてもあ の対向不可能なほど狭い大雪の林道を、ノーマルなワゴン車で走ろうとは恐るべき夫婦であった。
 さ て、美濃戸山荘を過ぎたあたりから天気は下り坂。赤岳鉱泉へ着く頃には太陽は濃いガスに陰り、急に冷え込んできた。せっかく遠回りしてここまで来たが天気 がさらに悪化する前に設営した方が良さそうだ。そそくさと行者小屋へのコースタイム40分の道のりを行く。行者小屋のテン場に着くと先着は6パーティーほ ど。思ったよりも空いている。その後夕方になりもう1パーティーが加わり合計8張程度のテント村となった。晩飯はカレーやら春雨スープやらを食い、明日の ために雪を少しだけ沸かして9時くらいには早々に就寝。テントの外は風がほとんど無く静かそのもの。夜中に降り出した雪の音で一度目を覚ましたが、吹雪い ているわけでもないしそれほど多く降っているわけでもないようなのでまあテントが埋まる心配はない。ということで再度シュラフに顔を埋める。


● 17日
6時前に目を覚ました。テントの外は真っ暗で雪。風もある。憂鬱な朝となった。シュラフの下に敷いたペットボトルの水を沸かしとりあえずのコーヒー。天気 がこれ以上悪化しなければ頂上に向かって歩いては行けるが、頂上からの展望は期待できない。残念だ。お茶漬けで朝食を済ませ出発の準備を各自整える。そう こうしている間に朝早い時間に文三郎に取り付いていたパーティーがチラホラと戻ってきた。その内の一組と話をすると上部は風も強くガスも濃いため樹林帯を 抜けることなく戻ってきたらしい。益々憂鬱にしてくれる。しかも我々が行こうと決めている地蔵尾根に取り付くパーティーはこの時間までまだ一組も見ていな い。それでもなんとかモチベーションを維持し、とりあえず行けるところまで行ってみるかと7時半過ぎに地蔵尾根に二人で取り付く。樹林帯を抜け、岩稜に出 るとガスは濃く回りの展望はゼロ。風も強い。それでもまだ行けそう。先へ足を伸ばす。


最 初の鎖場付近に来ると降り続く雪のためにトレースは消えていた。鎖のついた岩稜を巻くルートがあるのかそれとも岩稜上を直上するのが正解なのか、いかんせ ん視界が悪く先が見えないために二人して戸惑っていると、そんな我々の様子を見た唯一視界に入っていた後続の単独男性は引き返してしまった。しかし単独男 性が視界から消えた後すぐに今度は心強い中年男性二人組パーティーが登ってきたので彼らに先行してもらい二人が稜線上に付けていったトレースを辿り地蔵の 頭を目指す。稜線上では時折突風となり耐風姿勢を取る。地蔵の頭の直下では細い岩稜にばっちりと雪庇ができあがりナイフリッジになっていて冷や冷やさせら れる。極寒の中なんとか展望荘を経て頂上小屋へ。ここでテルモスに準備してきたホットポカリを飲み一息。頂上で写真を撮って文三郎を下降する。ともあれ、 あの悪天の中経験者の先行二人組がいなければ今回登頂は叶わなかったかもしれない。運がよかったというか、情けないというか。まあ、結果的に頂上を踏めた のだから良しとする。

下山路では4,5人コンテのノロノロガイドパーティーを追い抜いた後は樹林帯を尻セードで飛ばし1時間でテン場へ。コーヒーを淹れ、ラーメンを食べ余韻に 浸る。テントを撤収し、振り返ると一瞬だけ赤岳山頂に陽が差す瞬間を拝むことができた。美濃戸口までの下りもところどころ尻セードで特急。帰りは中央道の 渋滞を恐れ温泉にも寄らずに厚木へ。3時間もせず、あっという間に日常に戻ってきてしまったのであった。


山行一覧へ

Top Pageへ

inserted by FC2 system