丹沢タイムトライアル


青田 記

3月9日 晴天
前日の土曜日に仲間の一人から「県民の森駐車場〜二股〜小丸尾根〜塔の岳〜丹沢山〜蛭ヶ岳」往復をタイムトライアルに挑戦した結果、10時間30分とまったくコースタイム通りにしか踏破できなかったと連絡があった。自分よりずっと若い彼の挑発的な言葉もあり、それでは自分がやってやろうじゃないかってことになった。塔の岳からは40から
50センチの積雪とのことだかトレースがあるので返って夏道よりタイムは早くなるのではないかと密かに考えていた。
 案の定尾根に上がるとカチカチの雪道だが適度に摩擦があり、アイゼン無しでも楽々と登れることが出来た。塔の岳から先は4本アイゼンをつけたが、雪質がいままでとガラリと変わり片栗粉のような状態で、トレースを踏みはずすと膝上まではまる。しかし下りはスケートのように按配よくすべりタイムを稼ぐことが出来た。休憩を出来るだけとらないタイムトライアルは給水もチューブ式だが、これが登りの時にやると死にそうなぐらい息が上がる。分かっていても何度か失敗してしまう。

景色はほとんど見ないのだがこの日は風はまあ強いが天気は良く、丹沢山から蛭ヶ岳の雪の稜線正面に富士山が現れたりしての抜群の景色だ。ここまで来ないと本当の丹沢が見られないのだなと実感する。途中岩場の鎖場での下りが2箇所ほどあるが鎖は雪に埋まって使えない!ここだけはゆっくり慎重に下る。蛭ヶ岳と頂上小屋はずっと遠くから見えているのだがなかなか近づかない。それでもやっと蛭ヶ岳の最後の登りになる。それまでずっと見えていた小屋がいきなり見えなくなり、登りつめるとポンっと目の前に小屋が現れる。

持参した水が心もとないのでポカリを買おうと、休憩者用入り口から中へ声を掛けるも返事がない。遠くで犬の声がしている。小屋には「正式救助犬」と張り紙がしている。犬を連れてのんびり散歩か?あきらめてアイゼンをつけていると犬の散歩から小屋番さんが帰ってきた。ポカリをなんと500円で購入。帰路を急ぐ。
丹沢山が近づきほっとして振り返ると、遠くに蛭ヶ岳が見える。あそこまで行って来れたのだなって実感が湧き上がる。塔の岳に近づくにつれ道がどろどろした箇所がふえてくる。休憩している人を横目に小丸尾根分岐までやっと戻ってきた。後は急な尾根を下るのみだ。ゆっくり下る人を遠慮しながらも追い抜いていく。そしてやっと駐車場に着くことが出来た。不思議と足に豆も出来ず、筋肉痛もない。ただ全身の疲労感が強く感じられる。ストップウォッチを押すと朝610分にスタートした針が9時間12分で止まった。

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