房総郡界尾根縦走(鋸岳〜鴨川)


2009年1月10日〜12日

林 祥介

 予ねてより望んでいた、千葉県連主催郡界尾根縦走に、この度初めて参加の機会が訪れた。フェリーと鋸山で知られる浜金谷を早朝に出発し、東西に伸びる尾根をほぼ一直線に東へ進み、3日目のお昼に鴨川に到着するサバイバル行軍である。すでに今年で8回目を迎え、千葉県のみならず、県外からも話題を集めている。筆者も自然保護と耐久レースの観点から関心を示したところ、参加の快諾を得た。

                        


 総勢21名、約半数が女性という兵(つわもの)ぞろいが、裏鋸山稜線を東にとり嵯峨山を目指す。全員を5班に分け、班長、ガイド、エコ、記録とそれぞれの役割分担を担い総リーダーのもと互いに協力をしながら第一日目のテント場へひたすら歩いてゆく。主催会の県連ふわく山の会が、サポーターとして車で先回りをして、参加者の体調、物資の補給等懇切丁寧な支援を頂いたのは有難いことであった。千葉県の山は平均して300m前後の高さが多く、最高峰の愛宕山でも400mを少し越える程度である。ところが実際に歩いてみると、山並みが幾重にも連なり小刻みなピークの登り返しの連続で巻き道もなく歯ごたえのある尾根縦走の連続となる。

                        

 思い出したように、時折、林道の支線や県道が現れるが、おおむね尾根縦走が続き、道しるべもなく、突然のくびれもあるため地図読みハイクとしてもなかなか難しい。さらに太平洋プレートがせりあがって出来上がった、切り立った地形は房総のエベレストととも呼ばれ、豊富なシダ類のジャングル、キレットと歩く人を飽きさせない。2日目は房総半島の中央部を東西に縦断する最も過酷な行軍となるが、すでに打ち解けた仲間同士で足取りも軽い。水仙の群生、炭焼きと猪狩を生業(なりわい)とする村人との出会いは人々の素朴な表情にふれる旅でもあった。熊ほどの大きさの猪を捕獲し吊り下げ、解体作業に出会えたのは後にも先にも今回限りであろう。

                            


 3日目の昼に最終当着地清澄寺到着。サポーターと合流して踏破した喜びを分かち合う。自然保護とエコ活動に関する報告は紙面の都合上割愛せざるを得ないが、都連盟自然保護委員会の3つ目の骨子「都連盟のみならず広く関東ブロック、全国と連絡をとり自然保護活動の規範を模索してゆく。」を果たすには十分であった。
 今回のプロジェクトを企画運営遂行された千葉県連の方々、中心で活動されたふわくの皆様、そしてなにより現場で寝食をともにした方々に心よりお礼を申しあげ報告とするものである。                               




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