八ヶ岳連峰 天狗岳〜根石岳〜硫黄岳


記:奥坊 寿将
日程  2009年1月17日〜18日

形式  冬山縦走

メンバー 奥坊 寿将

行程  渋の湯 天狗岳 根石岳 硫黄岳 赤岳鉱泉 美濃戸口

1月17日

 バスが茅野からは一日たったの三本なので朝一には間に合わない、ゆっくり出発して特急あずさで昼前のバスを狙って茅野駅を目指した、駅に着くと行動食を買ってから往復チケットを購入してバスに乗り渋の湯へ向かった。

11:33 渋の湯出発
13:51 黒百合ヒュッテ到着

 あっという間にこの日の目的他に到着だ、なんて事は無かった、雪は積もっているがきゅっきゅっと気持ちいい音がして歩きやすかったのでアイゼンもピッケルも全く必要なかった。
 早速テントを張ったが酒にはまだ早いし飯にもまだ早い、気温は−5℃なのだが足の指先の感覚が戻らなかったので羽毛の上下とテントシューに履き替えたが全然回復しないのでガソリンバーナーに火を着けた。

ありゃりゃ?

 目から涙が止まらないし匂いも凄い、、、
プレヒートが終わって完全燃焼してもダメなのだ、そういえば北海道のときはテント内の時はガスカートリッジだったし、去年の冬季にガソリンを使ったのは4人テントだったので容積が全然ちがうのだ。入り口を全開にしていないと火は使えないくてテント内の温度上昇にはならないから意味がないし、裸足になって火に近づけても感覚がないから火傷が怖くて暖める事が出来なかった。
 小屋の看板に 『お で ん』って書いてあったのが脳裏に浮かんだ

 数分後、、、暖炉の前におでんとビールと素足の僕がそこにはいたのだった。

 暖炉の前でピンできている60歳と70歳のお兄さんと話していたら、70歳の鈴木さんが縦走すると言っていたのでビックリしていたのでヤンス、話を聞くとバリバリのクライマーだったのだ!
 天気次第で行けるとの事で帰りのバス代は買ってしまったがピストンは止めて縦走にする方向で悩んでいたら天狗から先の地図が無いことに気が付いた、、、、 GPSはあるけれど紙の地図が無いのはヤバイとオロオロしてたら60歳の兄さんが俺は行かないからと、僕に寄付してくれたのだ(感謝!)。

 ビール1リッターとおでんをたいらげた後、テントに戻り入り口全開で雪を溶かして明日の水を作り、生姜湯をサーモスに入れて、熱燗を造って入り口を閉めてからチビリチビリと呑んでいたら、うたた寝し始めた。
 隣のテントのおばちゃんの声もしなくなったので凍らないようにキャメルバックの行動水と一緒にシェラフに潜り込んだ。

 朝方にテント内は−15度になっていた、軽量化の為マットを短くて尻と背中しかエアーが入らないタイプにしたのだが、少し位置がずれると寒くなってしまうので何回も位置あわせをしていた、動くと首から暖かい空気が漏れるので動くたびに寒くなっちゃたので熟睡は出来なかった。
1月18日
コッヘルの中で凍ってる氷を溶かしてお茶漬けと味噌汁を食べ、トイレで軽量化して、パッキングしてアイゼン履いて天狗岳に向かった。

7:24 黒百合ヒュッテ 出発
ピッケル使う様な危険な所は全くない、中山峠経由で稜線に出ると西から強い風が出てきた、僕からみると右からだ。


8:30 天狗岳      到着
 ピークにはあっけなく着いた、ピストンだったらデポしてくるので軽荷だし時間も短いのだがフル装備でこれから7,8時間は美濃戸口まで歩かなければならないのだ。
 天気は最高、視界良好、雪も稜線では風で吹き飛んであんまり着いていない。
 強風の頂上から、これから歩くルートを地図と照らしあわせていたら、見事に見える見えるよく分かる、これならトレースが無くっても行けると判断して縦走する事に決めたのだ。
 写真を撮って生姜湯を飲んでいたら鈴木さんが登って来た、これで安心だ。
 先に僕が行く、所々トレースはないが分かり易い。
9:23 根石岳   到着
 相変わらず強風が吹いている、何かしようとグローブを外すと直ぐに冷たくなっちゃうのだ、ピークから地図で確認していると二人でアンザイレンしながら下山しているパーティが見えたのだが大げさだと思っていた。
 反対側からポツポツ登って来る人があらわれはじめた、目だしもしないでメガネだけのお兄さんが『これから先の風はどう?』と聞かれた、よく顔を見ると鼻水が強風に流されて左の耳たぶにツララが3センチ位ぶら下がっていたので可愛そうに見えた、、、

 分岐の看板に差し掛かるとトレースが雪庇に向かっている、、、アンザイレンの人たちか?
やばい行けないよっ てか危険だ、でもトレースがある??
 よく見ると皆引き返している、ちょっと先に巻いてあるルートがあった、ほっとしたのだった。看板の向きは冬用に作っていないのでとりあえず道しるべ通りに進むのは人間の性だろうか。
 硫黄岳の登りにさしかかった、ココが今回の一番の難所だった。寒いと思って羽毛のジャケットを着ていたので体幹部は寒くはなかったが
風が強いのだ、肌が出ているとそこだけ冷たくなっちゃう。
 尻セードで下りると思ってザックの底に横に外付けにしたエアーマットをこの日は縦長に縛ってあったのだが、これが風見鶏効果で煽られちゃうのだ。
 富士山の時ほど強くはないが、疲れさせられるのだ、大きなケルンがいくつもあるのでその影に潜んで何回も足を止めて休んだ。
11:42 硫黄岳 到着
 さみー!
 休み休み登りきったが昼前に到着 鈴木さんが来ないのが少し心配だったが動いていないと寒いので先に行く
あとはダラダラ下りるだけだ。
13:10 赤岳鉱泉 到着

 ここからバス停まで2.3時間歩かなければならない、最終バスに乗る為には30分ほど余裕があったのでカレーを頼んだ。デカイ!こんなに食えないしこれから歩くのに満腹だとキツイと思ったら、ペロッて食っちゃったのだ。
 アイスキャンディーを生で見て、ココも今シーズン中に登るかもと思いつつ先を急いだのだ、途中で鈴木さんに会った、カレー食っている間に抜かれたのだった。

15:50 美濃戸口バス停

少し早くついたので生ビールを飲んで待ったのでした。

  奥坊でっす! よろしく!


僕にとっては36回目の山行だった。
初めての冬季単独縦走をしたが入門コースとはいえやはり嬉しかった。

反省点
*赤ガスは冬はダメ、白ガスに変更する
*日焼け止めを忘れた、チェックノートを作る
*羽毛ジャケットがびしょ濡れでペシャンコ、面倒くさがらずに早めに脱ぐ
(2日以上だったら夜に悲惨な目にあっていた、改めてゴアとフリースの凄さを体感した)
*地図は広めに持っていく
*ゴーグルのスポンジがボロボロだった、道具のメンテはしっかりと


山行一覧へ

Top Pageへ
inserted by FC2 system