記:奥坊 寿将
山域:北ア 乗鞍岳
日程:2009年2月8日(日)
形式:バックカントリースキー
メンバー:奥坊 他3名
行程:乗鞍高原温泉スキー場 位ヶ原 (ピストン)
アルペンスキーやスノーボードは僕の人生で20回位しか経験がないのだ、テレマークにいたっては前日に練習しただけで全然滑れないのであった。
雪山を登るのにはそんなに技術が無くっても大丈夫そうだし、降りる時はアルペンスタイルで降りちゃえばいいし最悪の場合は板を背負って降りてしまえばいいと思っていたのだった。
足に靴だけ、沢靴、ワカン、スノーシュー、アイゼン、B.C.スキー板、、、、
足と手だけのフリークライム、両足にアイゼン両手にアイスアックスのアイスクライム、ロープや登坂器などを積極的に使うアルパインクライミ ング、、、、
いろんなスタイルがあっていろんな山の楽しみ方があるが、僕は山に登る手段としてテレマークを始めた。
11:23 乗鞍高原温泉スキー場最上部のリフト降り口 気温マイナス2℃
ヨッシー、K嬢、パクリ、僕の4人パーティーだ。
ツアーコースといっても厳冬期の2500メータを超す山なので装備に抜かりは無い、先週は搬送講習に行ったのでカラビナやスリング、ビーコンなども持って行った。
ノンベイ仲間の毎度の事!?で遅いスタートでツアーコースに入って行く、スキーの板でどうやって歩くのか?ここで新兵器『シール』の登場だ。
うほっつ 不思議!
何回もくっ付く糊でエチケットブラシみたいな毛が一方向に生えているシールを板の底面ペタリンコ 変な感じだ、板の滑りが悪くなって重い感じがするが、前に進むが後ろには滑らないので不思議なのだ、つぼ足ではズブズブ埋まっちゃう所でも浮力のある太い板なのでチャーラーヘッチャラーでズンズン進む、ところがいきなりの急登坂だ。
しかーし ここでも新兵器『ヒールリフター』
早い話、坂に合わせて踵がハイヒールみたいに上がるので体は垂直になるのだ、さらに進むともっと急登坂になった、直登するとシールにも限界がありバックしちゃうのでルートを斜めにトラバースぎみに登って行った。
みんな先に行っちゃったのだ、さっき登れた傾斜位にトラバースしているのにツルッツルでバックしちゃうのだ???
後ろのK嬢が『気にすると思って言わなかったけどシール剥がれかけてるよっ』って、オイ!先に言ってくれよーー
ホットワックス効いている面が出ていたらツルッツルでヤンスよツルッツル、どうやらもがいている間に板を横にずらしたのとサイズが合っていないのが原因だったみたいだ。
疲れちゃったので板を担いで難所をクリアして、パクリ君からガムテとヨッシーからバックル貰って後端を固定したら以後は外れなかった。
13:00
途中で腹が減ったので風の弱いところを探すも何処も変わらないので適当な所でテルモスのホットレモンティーとパン、チョコとカップヌードルを貰ってションベンをした、グローブを外していると直ぐに手の感覚が無くなっちゃうのだ。落下防止で手からぶら下げてあるグローブが風で股間に流されたので慌てて止めた、が時すでに遅しグローブの表面がすぐに凍りついてオシッココーティングされた、、、
この先は森林限界なのでサングラスからゴーグルに変えバラクラバを装着してからフードも被って先に行く。
14:23 位ヶ原
乗鞍岳がハッキリと綺麗に見える丘の上に到着
しかし時間的にここが限界、ピークハントは諦めて下山に移る。いよいよ滑降だ!!練習の成果はいかに?
シールを剥がして写真を撮ってからフワフワのパウダーに期待を膨らませて いざ!
ありゃ ありゃりゃ?
ぜんぜん向きが変わらない、ゲレンデと違ってフカフカだから板が埋まってて向きが変わらないのだ。ボーゲンも効かないしアルペンスタイルだって出来るはずもない、、、、、
パクリ亭でボルシチを突っつきながら見たDVDみたいに、僕がふわっとジャンプして板を雪面より浮かして入れ替えられるハズも無い、、
残る手段はころげ落ちるしかないのだ
とにかくローリングストーンだ、転がれ転がれ!転がって起きるのだあー!フカフカだから腕もズボズボ埋まってしまって体力の消耗がハゲしいが、原田智代みたいに助けに来てくれる人はオッサンだから誰もいない、ってか下山時間過ぎているから上にはホントに誰もいない、かろうじてK嬢が視界の下の端っこに心配そうに見守ってくれているのが安心だった。
もうスキー板は邪魔者でしかないのだ、でも外すとラッセルなのでもっと体力使っちゃうしビパークかヘッドランプで下山になるので緩やかな斜面まで頑張って転げ落ちた、その後はウルトラ鬼ボーゲンで降りたが、雪の量が半端ないのでスゲー太ももと膝の筋肉を使うのだった。もう普通の斜面でテレマークもアルペンも力が無くって板が安定しないのでコケまくりだ。
第一の難所に差し掛かった所で板を外してザックにくくり付けたらもう余裕だ、歩くのは本職みたいなもんだから余裕で三人が待っているスキー場へ到着したのだった。
16:15 無事に下山 スキー場到着
皆準備万端だから不思議だと思っていたらスキー場自体が終わりで最上部で監視員が僕らが降りるのを待っていたのだった。
お茶を飲む暇も無く板を装着して滑降を開始したが、歩く筋肉には余力が残っていたがスキーの筋肉はガタガタなのでヤンス
ターンするのが辛いし板の先端が交差して引っかかったり定まらないのでゲレンデでもコケまくりだよ。
休みたいけれど後ろからはスノーモービルに煽られちゃうので仕方が無いのだ、やっとの思いでチケットセンタに着いてお茶を飲もうと思ったらテルモスが無い、、、、サイドポケットに差してあったのだがヒールフリーだから深雪に突っ込んだら前のめりになって頭から潜ってしまった時にすっぽ抜けたのだ、まだ2回しか使ってないのだ残念、、、
駐車場に移動してパクリ君のビーコンと初めて捜索してみたりして実験したのだった。
今回で38回目の山行だ、パウダースノーやヒールフリーのテレマークターン、シール歩行、ビーコンなど今回はいろいろ新しい事ばかりでいい経験をした、後は練習あるのみだ!
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