西伊豆:海金剛:スーパーレイン

記:萩原 幸子

2009年3月21日 萩原 他1名
「夕日と潮騒の岬オートキャンプ場」6:00 取り付き6:50 登攀開始7:24 終了13:50 下降開始14:05 取り付き15:10
「雲見オートキャンプ場」より下のキャンプ場に泊まったため、車道を5分ほど登り、電柱があり「登山の方へ、駐車禁止」の小さな立て札がある所から、明瞭な踏み跡をたどる。泥沼状の所を経て、道は緩やかに下る。
3級の岩場に4本ほどフィックスロープがあり、懸垂下降、またはクライムダウンする。
降りたら右上のもうひとつの丘を登り左手に踏み跡がある。
1ピッチ目 5.7
取り付きにはテープ印とスリングがかかっている。
コーナー・クラックで、木にも支点が取れる。
2ピッチ目 5.9
 垂直なコーナー・クラックを数m登り、キャメロット#2、#3で固め、右へスラブをトラバースする。小さいがホールドはある。
その後、コンテニュアスで右へ10mほど歩く。
3ピッチ目 5.10a
 目印にスリングがあった。そこから直上し、テラスにある木の下をくぐろうとしたがわずらわしく、
少し左のシンクラックから上がる。ジャミングの効きが悪い所で、落ちてしまった。しっかり効いたエイリアン赤が止めてくれた。上の段に上がると左に小さい木があり、長いランナーを取る。ここからシンクラックが右上している。緊張する場所である。
なんとかカム2点を効かせてレイバックに突入したが、足が滑る。
ブラインド状態でもう1個キャメロット#1をセットしたが、セット状態を十分確認できていない。再びレイバックで足が滑り、もう勇気がなくなった。下のカムにテンションをかけてキャメ#1を直し、正対してジャミングを効かせて登る。テンションムーブであった。
4ピッチ目 5.10a  写真左の木でビレイ。
いわゆるアンダーフレークがある。
カム中間サイズ2個ほど決めて苦手のレイバックに入る。「神様、ビレイヤー様!」
レイバックが終わり安定してもなお右の木まで支点が取れなかった。
その上は最初はフィストが効くが、ワイドになる。
ここのためにキャメロット#4を3個担ぎ上げたが、2個しか使えなかった。
キャメ#4を効かせた後、テンションをかけて休み、ワイドの中に全身入る。足のスタックと外にあるホールドを使ってなんとか登った。奮闘的だった。
5ピッチ目 5.10a/b  いわゆる先人クラック。2段のハングに走ったシンクラックだ。
2003年リードした時には、フィンガージャムに自信が持てず、ずっとあぶみで登った。
2006年フォローした時には、1回A0、1回フォールした。だからこのピッチのためにあぶみ1台を下げてきた。ところがフリー、ノーテンションで登れてしまったのである。
真中あたりに岩が欠けている所があり、そこがスタンスになる。少しグレードダウンしているか?
核心を抜けた後はガレ場を落石しないように気をつかって登り、大テラスでビレイ。大テラスのビレイ点は2006年に来た時は下のRCCボルトが新しかったが、もう錆びている。上にリングボルト2本足してある。
6ピッチ目 5.9
 ビレイ点から右へ3mほど行き、ワイドクラックに入る。
その上は垂直から薄被りのハンド〜フィスト・クラックだ。なかなか厳しい。
木で終了する。

7ピッチ目 5.8
 易しい所をしばらく上がるとハンド〜フィストのクラックがあるが、傾斜があり難しそうなので、右の木が生えている所から巻く。その上は凹角となり、フェース状なので、カムがランナウトしてしまい緊張した。残置ハーケンが1本あり、効いているが錆びている。
よく探せばホールドはちゃんとある。
ここでほぼ終了であり、リングボルト2本、ペツル1本を奥の岩からスリングで補強したビレイ点となる。ふたりそろってここでロープを解き、2級10mを歩いて安定した所に行った。
頂上というより、尾根の一部である。
休憩して写真を撮った。
登れるか心配していたか、
トップアウトできて嬉しかった。
パートナーに感謝!
下降は7、6ピッチで1回、5,4ピッチを1回、3ピッチ目、2,1ピッチと50mダブルロープで4回の懸垂下降だった。

使用装備:ロープ8.2mm50m 8.5o50m エイリアン青〜キャメロット#4 2セット
グレードは「100岩場」では5.8〜5.9になっているが、数年前に岳人誌に連載された菊地敏之氏の「ロング&フリー」を参考にして、自分の体感で記した。5P目はスタンスができたことにより5.10b→5.10a/b、6P目は5.8より難しいと思う。
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